「くらげとあの娘」と黒木和雄監督と…
くらげと映画
クラゲはこれまでに劇場映画との係わり合いはそれほど深くありませんでした。
ドキュメンタリーとしていくつかの映画で題材として取り上げられてはいるものの、海の生き物の中ではイルカなどに比べて遥かに登場する場面も少なく、また主役になることもありませんでした。
脇役的にはさまざまな映画に登場していましたが、あくまでも脇役。目立ったところでは「アカルイミライ」で準主役級の扱いだったことが目立つ程度でしょうか。
「くらげとあの娘」がくらげ的に画期的なところとは
その点「くらげとあの娘」はクラゲ目線で画期的な映画です。
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クラゲそのものがキャラクターとして主人公になっているわけではありませんが、主役はあの加茂水族館のクラゲ飼育担当者。そして美しいクラゲを映画の冒頭から存分に見ることができます。
テレビドラマでは何度かクラゲやクラゲに深く関わる主人公の設定でがメインになることはあっても、劇場映画では初めて。そこにこの映画のマイルストン的な価値があると思うのです。
将来クラゲ年表を作成するとしたら、きっと映画のトピックとして選ばれるはずです。
くらげパンフレットと黒木和雄監督
こんなすてきな映画のパンフレット制作に、わずかながらでも協力できたことはとても嬉しいできごとでした。コラムとクラゲの写真の提供とクラゲの内容に関する確認だけでしたが、とても有意義なことでした。
まさか自分がこんな形であっても、映画に関わることがあるとは思ってもいませんでした。黒木和雄監督は、母の従兄弟(僕の祖母の兄弟の息子)にあたり、その縁で何度か会った事はありましたが、映画も黒木和雄さんも全く遠い世界のことに感じていたのです。
当時はまだクラゲにも出会っていなかったし、カメラも持ってい無い、音楽からも離れていて、これといって自分から発信するコンテンツも無かったのです。ただでさえ話をするのも畏れ多く感じていたのですが、なにか強く惹かれているものさえ無い状態では話のきっかけさえ掴めないまま…。今なら何かお話できることもあったかもしれないと思うと、とても悔やまれます。
黒木和雄さんの映画はこの時節柄、機会があればできるだけ多くの人に見ていただけたら、そして自分もまた見直してみたいなと思っています。クラゲはたぶん映画のどのシーンを探しても、どこにも出てきません(もし見つけたら教えて!)。
でも水族館でのんびりクラゲを眺めることができる時間を大切に思うからこそ、黒木監督の作品を再度通して観てもう一度違う視点で考えながら、5億年という気が遠くなるような時間を乗り越えてきたクラゲの漂う水槽を眺めてみることも必要かもしれません。
そしてまたもう一度『くらげとあの娘』を観た時に、大切な人を想う切なさや愛しさがより深く感じられるはずです。
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