ふわり美しすぎ!…インドネシアンシーネットル

インドネシアンシーネットル

和名:インドネシアン・シーネットル(インドネシア・シーネットル)
英名:Indonesian sea nettle / Malaysian Sea Nettle
学名:Chrysaora chinensis

刺すクラゲの「秘密兵器」―刺胞のメカニズム

インドネシアンシーネットルなど刺すクラゲは、触手に「刺胞」と呼ばれる細胞を無数に持っています。これは極小の“毒入り注射器”のようなもので、刺激されると高圧力(なんと150気圧以上!)で一瞬にして毒針が発射され、相手の皮膚や組織に毒液が注入されます。 この高速かつ巧妙な攻撃は、餌の捕獲はもちろん、自衛にも役立っています。

複雑な毒の正体―生体に与える影響

クラゲの毒は実に多成分です。メタロプロテアーゼやホスホリパーゼA2、ヒアルロニダーゼといった酵素、さらにカテコールアミンやヒスタミンも含まれています。これらは

  • 赤血球を壊して貧血や出血を引き起こす「溶血作用」
  • 小さな血管や神経を障害する「神経毒性」「心筋毒性」
  • ヒスタミンなどによる皮膚炎症や激しい痛み

など、想像以上に様々な被害をもたらします。例えば、Chrysaora属の一部は、カリウムやカルシウムチャンネルを狂わせて心拍リズムを乱したり、筋肉のけいれんや呼吸障害を引き起こした症例も報告されています。

臨床症状―皮膚から全身まで

刺された直後は「ビリッ」と強い痛みが走り、皮膚は赤く腫れたり、線状のミミズ腫れが走ったりします。重症例では、めまい、筋肉痛、吐き気、不整脈、心不全などの全身症状に進展し、最悪の場合はアナフィラキシーショックに至ることもあります。特にインドネシアンシーネットルの毒は神経毒性が強く、ミトコンドリア障害や酸化ストレスの併発も示唆されています。

応急処置と治療の進歩

刺されたときは、まずクラゲの触手を海水でやさしく流し(真水は絶対に避ける)、こすらずに患部を冷やします。熱水浴(約45℃、20分間)が痛みの緩和に効果的です。痛み止めや抗ヒスタミン薬の使用、場合によってはリドカインなどの局所麻酔薬も有効とされています。最新の治療法としては、C. fleckeri用の抗毒素血清や、メタロプロテアーゼを阻害する新薬の開発も進んでいます。

まとめ―水族館の裏側に潜む”生存テクノロジー”

クラゲの持つ刺胞と毒は、自然界での生き残りのための高度な武器です。近年は、その仕組みや成分研究が進展し、医療や薬学への応用も期待されています。水族館で優雅に泳ぐクラゲの裏側にある「生命の知恵」に、ぜひ注目してみてください。

主な引用元
ミトコンドリア障害や酸化ストレスの併発で何が起こる?

クラゲ毒によるミトコンドリア障害と酸化ストレスの影響は、単なる局所の痛み以上に、全身の筋肉や神経の機能障害、さらには生命維持に関わる呼吸や心機能の低下を引き起こす点で重要な問題です。これが重症例で見られる呼吸困難や心不全の一因と考えられています。

ミトコンドリア障害や酸化ストレスの併発は、細胞のエネルギーを生み出す重要な機能の破壊と活性酸素の増加を意味し、刺された組織や神経に深刻なダメージを与えます。ミトコンドリアは細胞内でエネルギー(ATP)を生産する「発電所」の役割を持ちますが、クラゲ毒によってミトコンドリアが障害されると、エネルギー供給が不足して細胞機能が低下します。この状態は神経細胞や筋肉細胞に特に影響が大きく、筋肉のけいれんや神経痛、さらに呼吸筋の機能低下を引き起こすことがあります。​

酸化ストレスは活性酸素(体に有害な酸素の一種)が過剰に生成されることで、細胞膜やDNAを損傷します。これにより炎症反応が強まり、組織の壊死や慢性化した痛みの原因となることが知られています。特に神経に酸化ストレスがかかると、痛みシグナルが過剰に伝わり、刺された箇所の激しい痛みや持続的な神経障害を生じる可能性があります。​

オリジナルの曲とイラスト

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