もこもこ…リクノリーザ・ルサーナ

Lychnorhiza lucerna(リクノリーザルサーナ)の深掘りトリビア
属名:リクノリーザ・ルサーナ
学名:Lychnorhiza lucerna
南米生まれの“マーブルジェリー”
Lychnorhiza lucerna(リクノリーザルサーナ)は、南米の大西洋沿岸に分布する根口クラゲの一種です。
分類学データベース WoRMS(世界海洋生物名簿) では、正式な受容名として登録されています。
名前をめぐる“命名騒動”
2018年、国際動物命名規約委員会(ICZN)は本種の属・種名の保存提案を採択せず、古い学名 Rhizostoma cruciatum に関連付けるという異例の裁定を出しました。
しかし実務上は WoRMS などで L. lucerna の名が使われ続けており、命名と運用の“ズレ”は興味深いトリビアとされています。
名前をめぐる“命名騒動”(やさしく解説)
🔎 普通はどうなるか
動物の学名は「古くから使われている名前(先取権)」が原則的に優先されます。
ただし、新しい名前の方が研究や現場で広く使われている場合、ICZNに申請して「その名前を保存」することがよくあります。
→ この「保存」が認められると、混乱を避けるために“みんなが使っている名前”を公式に続けて使えるのです。
⚖️ Lychnorhiza lucerna の場合
研究者たちは「Lychnorhiza lucerna という名前が長年定着しているから、この名前を保存してほしい」と 国際動物命名規約委員会(ICZN)に申請しました。ところが ICZN はこの申請を 認めませんでした。
それだけでも珍しいのですが、さらに 「Rhizostoma cruciatum というもっと古い別の種名の標本に、Lychnorhiza lucerna の標本を“代表(ネオタイプ)”として指定する」 という特別な処置をしました。
💡 なぜ“異例”なのか?
本来は「広く使われている名前を保存する」か「古い名前を優先する」かの二択。ところが今回、古い名前を優先した上で、新しい名前の標本を古い名前の“代表”にする という、ちょっと“ねじれた”裁定をしたのです。その結果、学名の扱いがややこしくなり、現場(研究や水族館)では依然として Lychnorhiza lucerna が使われ続けています。
👉 簡単に言うと
「普通は“よく使われている名前”をそのまま認めるのに、ICZN はわざわざ古い名前を残しつつ、新しい名前の標本を“古い名前の代表”にした」
——これが“異例”とされる理由です。
命名規則上は古い名前が立ちますが、現場では従来どおり Lychnorhiza lucerna が使われ続けるという運用と規則のズレが生じました。実務上の参照先としては、分類データベース WoRMS でも Lychnorhiza lucerna のページが引き続き利用されています。
その他、面白ネタがたくさんあるクラゲなので、別の機会に紹介します!。
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