クラゲの色の秘密を探る…インドネシアンシーネットル

和名:インドネシアン・シーネットル(インドネシア・シーネットル)
英名:Indonesian sea nettle / Malaysian Sea Nettle
学名:Chrysaora chinensis

インドネシアンシーネットル(Chrysaora chinensis)は、その美しい青白い体色で知られるクラゲです。白い個体もいますが、同じ種類で赤い模様を持つものもいます。
なぜこの種は目立つ色を持つのでしょうか?その理由を探ると、意外な生存戦略が見えてきます。
これらを、引用文献などから独自の推測をしてみました。

🟦 目立つ色の謎:なぜ透明ではないのか?

クラゲの多くは、捕食者から身を守るために透明な体をしています。しかし、インドネシアンシーネットルは青白く輝く体を持ちます。この目立つ色は、捕食者に対する警告色(アポセマティズム)として機能している可能性があります。つまり、「私は毒を持っているので、近づかないで」という信号を発しているのです。実際、このクラゲは強い刺胞毒を持ち、人間にも痛みを与えることが知られています。

🌊 毒を持つクラゲの「警告色」という戦略

インドネシアンシーネットルは、触手に強力な刺胞毒を持っています。
この毒は、餌となる小さな動物プランクトンを捕まえるだけでなく、天敵への防御手段にもなります。

生物界では、毒を持つ生き物がわざと目立つ色をしていることがよくあります。
これを「警告色(アポセマティズム)」と呼びます。

たとえば、ハチの黄色と黒の縞模様や、毒を持つカエルの鮮やかな体色がその代表例です。
同様に、インドネシアンシーネットルも青白い色をまとい、「私は危険だ」と捕食者に警告している可能性が考えられます。
つまり、目立つことはリスクではなく、逆に生存の武器になっているのです。

🔵光ってる?光ってない?:青白い体色

現在の科学的研究では、Chrysaora chinensis にバイオルミネセンス(自ら光を放つ能力)があることは確認されていません。
水族館で青白く輝いて見えるのは、照明との組み合わせによる視覚効果です。
水族館では特に、さまざまな色のLEDなどが使われることが多く、これがクラゲの半透明な体に反射して美しい青白さを演出しています。
自然界においては、この体色が海中の光を柔らかく散乱させ、背景に溶け込むような効果を生み出している可能性もあります。

🧬 進化の産物:色彩の多様性とその意味

インドネシアンシーネットルの色彩は、個体によって微妙に異なることがあります。これは、遺伝的な多様性や生息環境の違いによるものと考えられます。色の違いが捕食者に与える影響や、思いもよらない効果を持っている可能性について、さらなる研究が期待されています。
傘の縁にある赤い模様を見て、クラゲの敵が近づきたくなくなるようなパターンやいろであったり、逆に餌が寄ってくる効果があったりするのでは?なんていう想像をしてみるのも楽しいですね。数多くの実験から確かめなければなりませんが、こういった研究成果も最初はこんな疑問から始まるものも多いはず。

🔍まとめ:目立つ色は生き残りの鍵

インドネシアンシーネットルの目立つ青白い体色は、一見すると捕食者に見つかりやすいリスクを伴うように思えます。しかし、それは毒を持つことを知らせる警告であり、また周囲の光と同調することで姿を隠す戦略など、目立つ色は彼らの生存にとって重要な役割を果たしている可能性があります。
水族館でインドネシアンシーネットルの優雅な姿に癒されながら、クラゲの生存戦略をあれこれ想像してみるのも楽しいですよ。

●参考にした情報

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