漆黒と赤の海…ブラック・シーネットル(Black Seanettle)

海の深淵に静かに漂う、「ブラックシーネットル」。その名の通り、漆黒と妖しい赤の体が特徴的なこのクラゲは、神秘的な美しさと毒々しさが強く感じられます。
クラゲの中でも独特の生態と特徴を持つブラックシーネットルの説明を読めば、きっと海洋の神秘を象徴する存在だ!と思いたくなるはずです。

生態と生息地
ブラックシーネットルは、主に太平洋の温暖な海域に生息しています。特にメキシコのバハ・カリフォルニア半島沿岸からアメリカ西海岸の沖合にかけて見られることが多く、海洋の表層から中層を漂い、季節や水温によっては深い海へ移動することもあります。

ブラックシーネットルの特徴
このクラゲの最大の魅力は、その美しくも威厳のある外見です。傘の直径は最大で約1メートルにも達するとの報告もあり、深い赤褐色から漆黒に輝くその色彩は、他のクラゲにはない独特の存在感を放ちます。傘の下から伸びる触手は、なんと5メートル以上にもなることがあります。その触手には無数の刺胞があり、主に動物プランクトンを毒針で麻痺させて捕えています。
細い糸のような滑らかな質感の触手は、海の流れに合わせてゆっくりと流れ、また伸びたり縮んだりしながら獲物を捕らえ、効率的に獲物を口まで運びます。

黒いクラゲは珍しい?
クラゲの多くは透明や淡い色をしている中で、ブラックシーネットルのように黒い部分を持つ種は稀です。
褐虫藻の色により暗い茶褐色を持つカラージェリーなどはいますが、部分的にでも真っ黒の部位を持つクラゲはほかにほとんどいません。

驚きの発見だった
ブラックシーネットルは20世紀に新たに記載された最大の無脊椎動物であり、その発見は海洋生物学界に大きな驚きをもたらしました。

魚の宿になる!
さらに、ブラックシーネットルは太平洋バターフィッシュ(主にイボダイ科(Centrolophidae)やマナガツオ科(Stromateidae)に属する魚の総称) に食料と保護を提供する関係性を持ち、バターフィッシュはクラゲの傘の中に隠れて捕食者から身を守ります。

今日のクラゲ

和名:ブラックシーネットル
英名:Black Seanettle
学名:Chrysaora achlyos

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