青いクラゲ…フィロリーザ・プンクタータ

フィロリーザプンクタータ

独特のさわやかな色味の青と、小さなツブツブ模様が特徴です。

学名: Phyllorhiza punctata
英名: Papuan jelly, Spotted jelly, Lagoon jelly, Golden medusa
和名: ナンヨウタコクラゲ(南洋蛸海月)
分類:動物界 > 刺胞動物門 > 鉢虫綱 > 根口クラゲ目 > タコクラゲ科 > ナンヨウタコクラゲ属 > ナンヨウタコクラゲ

この形をしたクラゲは、暖かい地域の海に多く住んでいます。
東南アジア近海だけではなく、広い範囲に生息していて、アメリカ沿岸でも見られるんです。

ナンヨウタコクラゲは、1960年代にカリブ海に侵入し、その後アメリカの北部メキシコ湾(2000年)および東フロリダ(2001年)にも定着し、ジョージア州沿岸でも観察されています。
ジョージア州沿岸で定着しているかどうかはまだ確定していませんが、アメリカ大西洋岸での拡散が文献で報告されています

https://link.springer.com/article/10.1007/s00227-021-03969-x

自ら海を渡って(漂って)東南アジアからアメリカ大陸にたどり着いたとは思えないので、船などにポリプがくっ付いて移動し、アメリカ大陸で剥がれ落ちて定着した…といった仮説が一般的な説明になりそうです。
小さなポリプがたった1つたどり着いただけでも、もし環境が合えば無限にコピーで増えることができますからね。
アメリカ大陸の南側、カリブ海などは海も温いでしょうから、ナンヨウタコクラゲにとって、ちょうどいい温度なのかもしれません。

その温度のお話ですが、どんな温度と塩分濃度で育ちやすいのかについて、この論文で徹底的に調べられています!
気の遠くなるような調査ですね!!きっととても長い時間をかけて確認したのだと思います。

ナンヨウタコクラゲの無性生殖段階であるスキフォストマの生活史と生理的応答を評価しました。2つの温度レベル(21°Cの現在の熱シナリオ、25°Cの温暖化シナリオ)と6つの塩分環境(15、20、25、30、35、40)での21日間の効果を評価しました。温暖化下では、エスチュアリン様(汽水域)の塩分環境でより速い発達と分裂率が見られましたが、海洋様の条件下では生存率が低下しました。

日本の水族館でも、最近はよく見かけるようになりましたが、傘の直径は20cmくらい。しかし環境が良いと、何と直径74cmにまで育ちます。
2007年10月に、北カロライナ州サンセットビーチで見つかったそうですが、これだけ大きいと、海で遭遇すると恐怖を感じるのでは…。
証拠写真付きで報告されています。確かにツブツブが見えているけれど、本当にナンヨウタコクラゲだったのかな!?
一応政府機関のサイトなので、まぁまぁ信じて良いかも。
https://nas.er.usgs.gov/queries/SpecimenViewer.aspx?SpecimenID=241445

またフィルターフィーダーとしての役割を持っています。
フィルターフィーダーは、特定の生物が食物を摂取する際に、水中から微小な有機物やプランクトンをフィルターで選別して摂取する食性のことを指します。
具体的には、フィルターフィーダーは以下のような特徴を持ちます:

フィルター構造:
フィルターフィーダーは、鰓や触手、粘液などの構造を使って水中の微小な有機物を捕捉します。
これらの構造は、水流を通して水中の餌を集める役割を果たします。

餌の選別:
フィルターフィーダーは、水中の餌を選別して摂取します。
餌は、プランクトン、細菌、有機物の粒子など、水中に浮遊している微小なものです。

摂食方法:
フィルターフィーダーは、水中を通して餌を集めます。
餌はフィルターに引っかかり、生物はそれを摂取します。
一部のフィルターフィーダーは、鰓や粘液を使って餌を集めることがあります。

例:
クラゲ、クジラ、甲殻類、多くの貝類、一部の魚類などがフィルターフィーダーとして知られています。
ナンヨウタコクラゲもフィルターフィーダーとして、水中からプランクトンなどの微小な有機物を摂取しています。

Instagram:

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