深い魅力と発電所…ミズクラゲ

ミズクラゲ

ミズクラゲの魅力

水の中をゆったりと漂うミズクラゲ。その姿は、まるで月明かりが海に溶け込んだかのような幻想的な美しさです。半透明の傘は光をやわらかく受け止め、見る角度や水の揺らぎによって、青白くも、時に虹色にもきらめきます。

傘の中央に浮かぶ四つ葉のクローバーのような模様は、まるで海の中に咲く花のよう。水流に身を任せて静かに舞うその動きは、重力から解き放たれたような自由さと、儚さを感じさせます。触手や口腕がふわりと揺れるたび、ゼリーのような柔らかさと透明感が際立ち、見ているだけで心が静かに癒されていきます。

何も語らず、ただ静かに存在するミズクラゲは、海の神秘と生命の儚さ、そして強さをそっと伝えてくれるのです。

ミズクラゲと発電所の深い関係

発電所と海の生きものたち 〜クラゲやフジツボとの知恵比べ〜


海の生きものが発電所にやってくる!


日本の火力発電所や原子力発電所は、海の水をたくさん使って冷却しています。そのとき、海の生きものたちも一緒に流れ込んできてしまうのが悩みのタネ。特にフジツボやムラサキイガイなどの貝類は、冷却水の通り道にびっしりとくっついてしまい、水の流れを悪くしたり、設備を傷めたりします。これを取り除くのはとても大変で、1つの発電所で1年に1500トンもの生きものを取り除くこともあるそうです。

ミズクラゲの大群が発電所を止める!?


もうひとつの大きな悩みが、ミズクラゲの大量発生です。ミズクラゲは晩春から夏にかけて群れ(パッチ)を作り、発電所の取水口に押し寄せることがあります。クラゲがごみ取り用のスクリーンに詰まると、発電所が止まってしまったり、出力が下がってしまったりすることも。2012年には日本各地でクラゲによるトラブルがたくさん起きました。

発電所ではクラゲ防止ネットやエアーバブリング装置などで対策していますが、急な大量来襲には対応しきれないことも多いのが現状です。

新しい技術で生きもの対策!


フジツボ退治にDNA活用
フジツボやイガイなどの付着生物の赤ちゃん(幼生)が海にどれくらいいるかを、DNA検査でピンポイントで調べる方法が開発されました。これで、どのタイミングでどんな生きものが増えるのか、事前に予測できるようになり、効率よく対策ができるようになります。

クラゲ検知は超音波で


広い海をくまなく監視できる超音波センサーが活躍中!複数の超音波振動子を扇形に並べて広範囲をカバーし、クラゲの群れを魚と見分けながら、早期に発見できるシステムです。これを発電所の近くの海に設置して、クラゲが近づいてきたらすぐに警報を出せるようにする計画が進んでいます。

クラゲ大量発生の謎にも迫る!


電力中央研究所では、ミズクラゲの大量発生メカニズムや巨大なパッチができる過程についても、生態学的な研究を進めています。クラゲの大量発生に関係する環境要因を明らかにし、将来的には大量発生の予測や抑制技術の開発につなげていく予定です。

これからも、海と発電所の共存を目指して


こうした新しい技術は、発電所の安定した運転を守るだけでなく、海の環境や漁業への影響も減らすことができます。これからも、海の生きものたちとうまく付き合いながら、環境にやさしい発電所を目指して研究が続けられています。

参考にしたサイト:

付着生物やクラゲによる発電所トラブルの軽減を目指して(電力中央研究所ニュース No.472)

オリジナルの曲とイラスト

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