まほろ座+Ryu Miho Final Tour+海の藻屑になるにはまだ早い+加住水族館
そもそものはじまり
2024/11/12(Sat)東京都町田市のライブハウス、まほろ座で、Ryu Miho Final Tourを聴いてきました。
沢山の素敵な偶然の繋がりがあり、Ryu Miho Final Tourの見えない力がまほろ座にいらした方たちを引き寄せたかのように思えてなりません。
岡田朔先生がInstagramで少しずつ公開していらしゃる小説、『海の藻屑になるにはまだ早い』を書くにあたって、私の著書『ほんわかクラゲの楽しみ方』を参考にして頂いたことが最初のきっかけ。
Ryu Mihoさんのインスタライブでライブを聴きに行くとコメントしたところ、ポスターやポストカード、ハンドメードのアクセサリー類を置かせていただけることになりました。
さらに、僕がInstagramに投稿したアマクサクラゲ、アトランティックベイネットル、アトランティックシーネットルの触手の数の解説の内容が、岡田朔先生がInstagramで公開する内容とほぼ同時のタイミングでシンクロするなど、まるで誰かが考えたストーリーのような展開になったのです。
そして、まほろ座のライブが終着点なのかなと思っていたのですが…。
会場で配布された『まほろ座の夜がはじまる』のタイトルとショートストーリーを見て、ここからまた新しい物語が始まる予感がし始めました。
海の藻屑?ベニクラゲのポリプ
水族館で目を惹くクラゲたちは、そのほとんどが親になったクラゲ(学術的にもAdultと呼びます)です。
さまざまな色や水流に彩られ、華やかに舞うその姿に魅了される方や、中には人生観まで大きく影響を与えてしまうこともあるほど、不思議な造形の美しさを持っています。
その一方、クラゲがAdultになる少し前の世代にあたる『ポリプ(Polyp)』は、何しろとても地味で、ぱっと見には映える要素が何一つありません。
それがポリプであることを知らないと、指先ほどの『藻屑』のようにしか見えないのです。
まほろ座に、実はこの地味で全く人目を惹くことのないであろうポリプを小瓶に入れて持って行っていたのでした。
しかし、僕が何かと舞い上がっていたこともあって、うっかり見て頂く機会を逃してしまいました。
そう、『海の藻屑になるにはまだ早い』のタイトルにも強く惹かれた理由の一つが、スポットライトの当たらない(おそらくこの先も水族館の展示では絶対に華麗なデビューをすることがない)、ポリプの姿が重ね合わされたからなのです。
小さな小瓶の中の小さな宇宙、その元になる藻屑のような姿の奇跡のような生態と造形を、小説と音楽と現実の不思議な絡み合いについて、いつか熱く語る機会があればいいな…と思っています。
そして、その先へ…
写真は、2020年の秋に『加茂水族館』で笑ってコラえての番組収録の時のものに、まほろ座に持って行っていたベニクラゲの『ポリプ』の写真を重ねたもの。
笑ってコラえて!・松本まりかさんとクラゲマニア3名で加茂水族館クラゲの旅
美しいクラゲの展示、松本まりかさんのポートレート撮影、奥泉館長とは閉館することなく見事に復活した旧加茂水族館閉館時以来の久々の再開…このときの素敵な体験が伏線になり、『まほろ座の夜がはじまる』から、加住水族館と加茂水族館、音楽や小説や現実の間をゆらゆらしながら、またストーリーが紡がれていくことを確信したかのような予感を感じています。
あの『藻屑』のような小さなポリプから、条件がそろえば何十というベニクラゲが海に放たれていきます。
実際に生態は小さな花とよく似ていて、観察しているとまるでタンポポの羽毛や、種が空に飛んで行くかのような例えはよく言われています。
実際には時間をかけて自力でぷよぷよと泳ぎだしていくのですが…。
そしてほんの1ミリしかない小さなサイズのベニクラゲが何十匹と遊離して泳ぎだす姿は、音符や活字が、音楽や小説として世に解き放たれていく様子と、まほろ座の夜を通してシンクロしていることを強く感じました。
ほんわかクラゲの楽しみ方
「ほんわかクラゲの楽しみ方・ゆらゆら、ふらふわ。眺めて、癒される。」
クラゲの柔らかで優しい魅力と不思議な生態をわかりやすく伝える、
クラゲ初心者にもお勧めの一冊です。
・平山ヒロフミ著
・アクアパーク品川監修
・誠文堂新光社