儚く漂う—アカクラゲ

アカクラゲ

アカクラゲと温暖化


アカクラゲは、海が暖かくなると単純に「増える」とは限りません。2026年の実験では、クラゲのポリプは 20–24 ℃で最も安定して生きのびましたが、28 ℃では成長や摂餌は進んでも生存率が大きく下がりました。

つまり、温暖化はクラゲに追い風になる面がある一方、暑すぎる海では幼生にとって負担にもなります。

海が変わると何かが起きる!?


アカクラゲは東アジア沿岸で分布拡大の兆しが報告されており、これまで見られた場所や時期が少しずつ変わる可能性があります。

eDNAを使った調査では、アカクラゲの出現が季節とともに変化し、水温だけでなく海の成層や流れも分布に関わることが示されています。

そのため、「暖かい年に増える」だけでなく、「どこに運ばれるか」「どの深さにとどまれるか」まで含めて見る必要があります。

大量発生は温暖化で単純に起きるわけではなさそう


クラゲの大量発生は、温暖化だけでなく、海流、餌の量、沿岸開発、捕食者の減少などが重なって起きやすくなります。

アカクラゲも同じで、海水温の上昇は重要な要素ですが、それだけで増減を説明するのは不十分です。

むしろ温暖化は、クラゲが増えやすい条件を“整えやすくする”一方で、熱の上がりすぎは幼生の生存を下げる、という二面性を持っています。

ポリプの温度反応、遺伝的な地域差、出現時期の変化を組み合わせると、将来の分布変化をかなり具体的に予測できます。

アカクラゲは、海の変化を映す観察窓のような存在だと言えます。

エビデンス・引用先
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42041875/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pbr/14/4/14_P140409/_article
https://www.plankton.jp/PBR/issue/vol08_3/pbr0803_124.pdf
https://www.academia.edu/66286549/Distribution_of_the_Sea_Nettle_Chrysaora_pacifica_Goette_1886_Semaeostomeae_Pelagiidae_in_Kore
https://www.airies.or.jp/attach.php/6a6f75726e616c5f31362d316a706e/save/0/0/16_1-04.pdf
https://www.cescube.com/vp-jellyfish-population-explosions-as-an-alarm-for-the-global-marine-crisis

今日のクラゲ

属名:アカクラゲ
学名:Chrysaora pacifica

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