エチゼンクラゲ

今日の夜、NHKスペシャルでエチゼンクラゲ大発生の番組が放映されていました。
現在次第に大発生の原因が解明され始めているそうです。
広島大学の上先生によると、以下のような『クラゲスパイラル』が起きていることも推測されるそうです。

  • エチゼンクラゲのポリプは水温の上昇でエフィラになるきっかけになることがわかってきた。
  • 水温の上昇(中国沿岸では20年で1.7℃上昇)が観測されている。この水温上昇がエフィラ大発生の要因の一つではないか。
  • 水温上昇で富栄養化しておりクラゲの餌となる動物プランクトンが大量に発生している。
  • 今年は中国の河川が氾濫して大量の淡水が海に流れ込んだ。淡水は海水の表面を滑るように流れるので通常よりも表層の流れが速く、クラゲが遠くまで運ばれた可能性がある。
  • 中国沿岸の発生すると今年の海流で日本海、太平洋側の両方にクラゲが流れ着くことが海流のシミュレーションで推測される。(同じシミュレーションでは朝鮮半島西岸でクラゲが発生していても殆ど日本海側にしか流れ着かない結果となった)。
  • 魚の取りすぎで魚資源が減っていて、魚が食べるはずだったプランクトンの多くがエチゼンクラゲの餌に回っている。
  • エチゼンクラゲは大量の動物プランクトンを短時間に取り込むことができる。(新江ノ島水族館との共同実験)。
  • エチゼンクラゲは直接の餌となるプランクトンだけでなく稚魚なども一緒に刺胞毒で弱らせたり殺してしまうため、エチゼンクラゲが大発生すると余計に魚が少なくなってしまう可能性がある。

などが理由として挙げられていました。
また…
今年のある時期に日本海に襲来していたクラゲは、一日に5億匹だった(←単位を間違えているわけではありません!)。
この100年間で大発生した回数は10回弱で、そのうちの約半数がこの数年におきている。
だそうです。
このままではすぐに自分達の生活に影響が出始める可能性もあり、他人事ではありません。(例えば肴の値段が上がる…など)。
漁業への被害は甚大で、その様子を見ると何かとんでもないことが起き始めていて、心底恐ろしいものを感じました。本当はクラゲも食物連鎖の中でバランスが取られている存在だったのですが、ここ最近の環境はクラゲがすみやすい=大量発生に繋がる方向に変化しているようです。

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